
最近は手作りで作る事をDIYと言われています。
私の子供の頃はDIYなんてオシャレないい方ではなく、
父親が作る「日曜大工」なんて言われていましたからね!笑
私はそんな父親の姿を見てモノつくりの世界に入りましたので、昔の言い方が好きですね!!
さて、本題に入りますね。
手作りで結婚指輪をお考えのお客様から良く聞かれる質問として、どんな事が出来るの?難しくないですか?など色々ありますが、まずはどの様に指輪が製作されているのかをお話しします。実際に手作りと言ってもデザインによって様々な作り方で製作されています。
全く同じようなデザインの指輪であっても、実はそれぞれが全く違う方法で作られている場合があります。
指輪は主に「鍛造(たんぞう)」と「鋳造(ちゅうぞう)」の2種類の製法で製作されており、それぞれにメリットやデメリットがある為、同じようなデザインで作られた指輪でもあっても性質や価格に大きく違いがある場合があります。
鍛造製法 <MATEIでは鍛造製法で制作しています。>
金属を叩いたり圧力をかけてローラーで伸ばしバー状にした地金を曲げて指輪を作る方法です。
高温で熱して柔らかくなった金属を鍛えられながら徐々に成形されていきます。
鍛造製法は多くの手間と職人の経験などの技量が必要とされる方法です。
~メリット~
金属を叩いたり圧力かけて鍛えられる為、加工硬化と呼ばれる金属組織の変化が起きます。すると密度が高くて強い指輪ができあがります。鋳造製法に比べると変形にも比較的強く、金属表面の硬度も高いです。手にした時の重量感があり、表面硬度も高いため輝きも強く なります。
~デメリット~
金属を曲げたり、削りだしたりして制作する為、曲線や複雑なデザインを作るのが難しい製法です。デザインは比較的にシンプルで直線的なシルエットの指輪が多いです。
鋳造製法(ロストワックス製法)
ワックス(ロウ)で型を作ってから鋳造する方法です。ワックスで型をとって鋳造する方法をロストワックス製法と呼ばれ、量産品に向いています。
手順は、最初に原型をワックスなどで作ります。それを液状のゴムに埋め込んで型をとります。固まったゴム型を二つに裂いて原型を取り出し、ゴム型を合わせたところに溶かしたロウを流し込み、固まって複製されたロウを取り出します。そのロウを石膏に埋め込んで焼き上げるとロウが溶けでて空洞ができます。できた空洞に溶かした貴金属を流し込み石膏を壊すと同じ物ができます。
ワックスで制作したものがそのまま金属になるので、金属そのものを加工するよりも作業しやすく、簡単に修正できる素材です。
~メリット~
複雑なデザインを作ることに向いています。硬い金属を加工する必要がないため、繊細な造形が可能です。デザインの自由度が高く、他の製法では実現できない自由なデザインを作ることも可能です。
型を作れば同じものを幾つでも製作できるため、大量生産にも向いています。多くのブライダルジュエリーではこの製法がとられ、繊細なデザインのジュエリーを大量に、コストを下げて作れるようになっています。
~デメリット~
高温で溶かした金属を型に流し込む際に気泡が混入したりします。金属の密度にムラが出て「巣」(金属内部の穴)ができてしまうこともあります。「巣」はレーザー溶接で巣を埋める補修などやそのまま隠されてしまうことが多いようです。
しかし、しっかり処置をしなければ耐久性を低下をさせることもあります。
金属が引き締まっていない可能性や気泡が入ることがある為、鍛造製法で作られたものに比べて柔らかい傾向があります。
その他にも近年では、アートクレイシルバーと言う商品もあります。
凄く手軽なキットが〇急ハ〇ズなどで購入が出来ます。
アートクレイシルバー(銀粘土)
銀粘土とは、微粒化した銀と水を結合材などと混練した粘土状の素材です。銀の融点(961.93℃)よりもかなり低い温度で焼結する特長を持ち、粘土細工を造形する要領で手軽作る事ができます。その気になればかなり複雑なデザインも可能です。
一般的な粘土を扱うように造形し十分に乾燥させたあと、ヤスリなど使い形を整えてから完全乾燥後に焼成して、研磨をすることで銀本来が持つ輝きがでてきます。
しかし、強度はあまり強くなく今のところ銀製品でしか作る事が出来ません。
最後それでは何故、MATEIは鍛造製法なのか!
本来であれば加工のしやすいワックス製法の方がお客様も安心して作業が出来るのですが、MATEIではお客様に直接金属に触れていただき金属の硬さや温もり、カタチにする喜びを感じてモノ作りの楽しさを知っていただきたいのです。
結婚指輪はこれから先も末永く身に付ける指輪なのでふたりにとって愛着のわく結婚指輪であって欲しいと思っております。
一生に一度の思い出をふたり手で・・・・・